2020 旭硝子財団 助成研究発表会 要旨集
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(.!=-()(+-()( (6) ススパパーースス最最適適制制御御 最小燃料制御問題の評価関数は,入力の!ノルムで与えられる. =‖‖! (7) 目標のHalo軌道との誤差をなくす問題を考えると,最終離散ステップにおいて,/=0であることが条件となる.また,制御入力の値が宇宙機の最大推力を越えてはならないという制約を加えると,!最適制御の評価関数と拘束条件のもと,式(8),(9)の最適化問題に帰着される. minimize‖‖! (8) subject to Φ=−V-(−)/0!12!' (9) ‖‖3≤45$ シシミミュュレレーーシショョンン結結果果 太陽-地球系のL2周りのhalo軌道から,同じ点周りの異なる大きさのHalo軌道へ遷移させる問題に対し,スパース最適制御を適用させる. スパース最適制御により,初期halo軌道から目標halo軌道へ収束させる計算を行う.また遷移時間は目標とするhalo軌道の一周期分,最大推力45$=100",サンプリング時間ℎ=0.003としている.図1は三次元での遷移軌道図を表しており,青線が初期のHalo軌道と目標のHalo軌道間の遷移軌道,赤矢印は推力の方向を示している.図2は,推力・誤差の履歴を示している.図2からわかるように4回のインパルス的な入力により遷移が完了していることがわか李,確かにスパースな解が得られていることがわかる.また,力学系に基づき制御入力を分類した結果,初期時刻周辺のスパース入力は不安定多様体成分を打ち消すための入力,2,3,4番目のスパース入力は安定多様体成分と中心多様体成分を同時に終端状態に遷移を完了するために自由度の数だけ必要な入力であることが明らかとなった. 3. 今後の展開 今後の計画として,非線形領域に提案アルゴリズムを拡張するため,逐次的に基準軌道周りの線形化ダイナミクスで近似する手法の構築,不安定性のより強い領域で有効なアルゴリズムの構築などが挙げられる. 図1スパース最適制御による軌道移行 図2 スパース最適制御 4. 参考文献 [1] Koon, Wang Sang, et al. "Dynamical systems, the three-body problem and space mission design.", Marsden Books, 2008. [2] 永原正章:最適制御とスパースモデリング,電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review Vol.10, No.3, 2017 [3] 永原正章:!最適制御のスパース性について, 電子情報通信学会技術研究報告, 2013. 5. 連絡先 819-0395 福岡市西区元岡744 九州大学大学院工学研究院航空宇宙工学部門 坂東麻衣 Email: mbando@aero.kyushu-u.ac.jp −139−

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