「公正な包括的グリーン成長(BIGG)」は、スリランカのモハン・ムナシンゲ教授(2021年ブループラネット賞受賞)が2012年に提唱した概念である。経済・環境・社会の3側面を調和させながら、すべての人々に恩恵をもたらす持続可能な成長を目指すアプローチである。
BIGGでは、環境負荷がすでに地球の安全限界を超えている先進国は、脱炭素化や資源効率の向上などで負荷を低減し、持続可能な将来像に向かう必要があるとする。一方、環境負荷が低い開発途上国は、先進国の経験から学び、環境的限界を超えずに、持続可能な成長へと進む「グリーン成長(Green Growth)」の経路をとるべきとされる。BIGGはこのように、立場の異なる国々が状況に応じて共通の目標に向けて進むことを想定している。