ブループラネット賞 今年度の受賞者

2021年ブループラネット賞表彰式典及び関連行事は中止することと致しました。
関連行事に代わるものとして、2021年ブループラネット賞 特設サイトを作成し、受賞者インタビュー動画等のオンラインでの公開を予定しております。 

2020年ブループラネット賞表彰特設サイトはこちら

2021 (30th)
Blue Planet Prize Winners

2021年(第30回)
ブループラネット賞受賞者

歴代受賞者

ヴィーラバドラン・ラマナサン教授

ヴィーラバドラン・ラマナサン教授
米国

モハン・ムナシンゲ教授

モハン・ムナシンゲ教授
スリランカ

ヴィーラバドラン・ラマナサン教授(米国)

1944年11月24日生まれ
カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリプス海洋研究所 教授
気候持続可能性 エドワード A フリーマン寄附講座

ラマナサン教授は、短寿命気候汚染物質(SLCPs)と呼ばれる二酸化炭素以外の汚染物質の気候への影響を数十年に渡って研究してきた。対象は、メタン、対流圏オゾン、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs*1)、ブラックカーボン*2(煤)などである。クロロフルオロカーボン類(CFCs*3)の非常に大きな温室効果を発見し、自身で統括した褐色雲(ABCs)に関する国際現地プロジェクトを通して、ブラックカーボンの気候への影響を明らかにするなどの貢献があった。教授は、SLCPの削減は温暖化を速やかに抑制し、大気汚染を大幅に改善することを示し、その後SLCP削減のための国際的な活動を主導した。

*1 オゾン層を破壊しない「代替フロン」。二酸化炭素の数百~数万倍の温室効果がある。
*2 大気中を浮遊する微小粒子(エアロゾル)の成分の一つ。石炭、薪などの燃焼により生ずる炭素が主成分。
*3 フロンの一種で、オゾン層破壊物質。二酸化炭素の約5千~1万倍の温室効果がある。

受賞の辞

2021年のブループラネット賞を短寿命気候汚染物質(SLCPs)の研究で受賞することを大変名誉に思います。4種のSLCPによる地球の蓄熱量を減らすことは、地球温暖化を速やかに抑えるために不可欠です。対象となるSLCPとは、メタン、ブラックカーボン(煤)、対流圏オゾン、ハイドロフルオロカーボン類 (HFCs)です。

SLCPの科学は、当時冷媒として使用されていたクロロフルオロカーボン類(CFCs)が、非常に大きな温室効果を持つことを1975年に私が運良く発見した時から知られるところとなりました。CFC類はHFC類とともにハロカーボン*の仲間です。もしオゾンホールへの影響をなくすために、 CFC類がモントリオール議定書によって廃止されていなかったとしたら、温暖化はすでに危険な水準を超えてしまっていたかもしれません。

私達はまた、長期的な気候を安定にするために2050年までに二酸化炭素排出量を段階的に削減していかなければなりません。

この賞は私にとって、北極星のようなものです。気候変動に関する活動のために、政治的な分断の橋渡しをし、科学を政治や信仰と連携させることで、私の気候変動問題の解決への取組みを力強く導いてくれるからです。

*ハロカーボン:CFC、HFCなど、塩素、フッ素などのハロゲン原子と炭素から成る化合物の総称。

モハン・ムナシンゲ教授(スリランカ)

1945年7月25日生まれ
ムナシンゲ開発研究所 創設者・所長

ムナシンゲ教授は、統合的、学問横断的であり、開発の問題を経済、環境、社会の三つの観点からとらえるサステノミクスの考え方を創出した。革新的な概念である「公正な包括的グリーン成長(BIGG)」や「ミレニアム消費目標(MCGs)」はサステノミクスから生まれた。BIGGは、各国に発展の度合いに応じた持続可能な開発の道筋をとることを求め、また、MCGsは、世界生産のほとんどを消費する裕福な人々に地球への負荷を低減するため、消費目標の遵守を求める。教授は、これらの考え方を世界に広めるため、環境経済学と環境政策を用いて実践的な活動を展開している。

受賞の辞

2021年にブループラネット賞という世界の持続可能な環境のための最高の賞、日本の旭硝子財団がより良い未来に対し大きな尽力をしている象徴でもある賞をいただけることは名誉なことであり、深く感謝いたします。また、私の知性や感情的な部分を形作ってくださった多くの方々、指導、助言をいただいた先生、同僚、家族、友人などにも感謝申し上げます。新型コロナウイルス感染症の苦境を生き抜くために社会的な絆は非常に大切なものです。

私が50年近くの間に創り出してきた幾つかのカギとなる概念と、それらが世界で実際に適用されていることを選考委員会が特に評価してくださったことは励みになります。サステノミクスという枠組み、持続可能な開発の三つの視点(経済、環境、社会)、公正で包括的なグリーン成長(BIGG)、ミレニアム消費目標(MCGs)のことです。

私の研究での興味は、工学、物理学、経済学のような基本的な学問から、エネルギー、水、交通、ICT(情報通信技術)、環境資源などの応用分野、そして最後には多くの学問分野にわたるテーマである貧困、災害、気候変動、持続可能な開発へと移り変わってきました。この多方面での経験が、統合的、学際的な方法論としてのサステノミクスを作り出すのに役立ちました。私の過去の業績と名誉あるブループラネット賞により与えていただいた世界的な舞台を活用して、私たちの地球を全ての人に持続可能なものにしていけるように、微力ながら努力し続ける所存です。

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