ブループラネット賞 

今年度の受賞者

2015年表彰式典・祝賀パーティー フォトレポート

2015年(第24回)

パーサ・ダスグプタ教授

パーサ・ダスグプタ教授(英国)
1942年11月17日生れ
ケンブリッジ大学経済学部フランク・ラムゼイ名誉教授


ダスグプタ教授の先駆的な功績は、世代間の公平性と持続可能な開発の二つの概念が同等であることを示し、福祉経済学および環境経済学を統合したことである。また、環境資源基盤が劣化していく状況にある、発展途上国の農村部の貧困を対象とした研究の草分け的存在でもある。こうして、過去にはまったく異なる分野であった開発経済学と環境経済学という分野が統合された。人類の幸福から自然環境までを扱った幅広い内容の著書では、経済的発展の評価にあたり、GDPや現在広く用いられている場当たり的な幸福の指標ではなく、包括的な国の富(ストック)でもって行うことが適切であることを示した。こうした研究をもとに、国家の経済的会計の理想的なシステムが作り出され、今やインドや他の数か国において導入され成果を上げている。教授は、ライフワークとして自然のシームレスな経済的意味付を行い新しい経済理論を形成し、現代の経済思想に多大な影響を与えてきた。

ジェフリー・D・サックス教授

ジェフリー・D・サックス教授(米国)
1954年11月5日生れ
コロンビア大学地球研究所所長

サックス教授は開発途上各国の経済再建に、経済危機を乗り越えて持続可能な発展を実現する輝かしい実績を残してきた。学際的かつ革新的な「臨床経済学」を適用することで人類の平等を押し進め、ガバナンス、貧困、公衆衛生、教育、環境における諸問題を解決するために、小規模農業、社会事業、経済発展を促進して極度の貧困の克服に貢献してきた。学者、実践者、政府や国連の上級顧問として、これまで世界に多大な影響を与えてきた。
受賞の辞

我々の生活の最も重要な要素である人類の自然との関わりは、急速に修復が求められています。にもかかわらず、我々はこの問題に正面から向き合っていません。ブループラネット賞はこの悲しい事実を毎年世に知らしめ、大小を問わず環境問題に世界の目を向けさせています。世界の環境問題が大衆の関心をひくことは理解できますが、留意すべき点は「大なるもの」は無数の「小なるもの」からなることです。人類が自然と調和し環境問題を解決するための努力は、我々1人1人によって行われなければなりません。 個人個人が生活していくうえで知らずにいかに自然を踏みにじっているかを知ることは、我々が直面するあらゆる問題解決に必要な第一歩です。私は自身の仕事において、家庭レベルでの貧困や裕福な暮らしがいかに自然に明白なつめ跡を残しているかを知ろうと何年も試みてきました。したがって、我々の集合意識の中に私が導入を試みてきた考え方がブループラネット賞授与という形で認められたことは、私にとって大きな栄誉であり喜びです。

今回のブループラネット賞受賞を私は大変な栄誉に感じています。とりわけ、国連加盟諸国が持続可能な開発目標(SDGs)を採択予定である2015年に受賞したことを喜んでいます。ブループラネット賞は地球全体の幸福への旭硝子財団の取り組みを表しており、持続可能な開発に伴う重要かつ緊急の課題に対する一般大衆の意識高揚に資するものとして世界中で認識されています。今年、世界の各国政府、企業、市民社会団体は、貧困に終止符を打ち、共に助け合う社会を促進し、全ての国において自然環境を保護するためにSDGsを採択することで、ミレニアム開発目標(MDGs)に基づき、さらにはその適用範囲を拡大する機会に恵まれました。科学、テクノロジー、制度的革新、そして道徳に即した目的意識によるMDGsと新たなSDGsの推進を目指す私の仕事をブループラネット賞選考委員会と財団の皆様が認めてくださったことに、深く謝意を表します。厳密な経済分析と世界中で証明されている問題解決法の数々によって、持続可能な開発が実現可能であることが証明されています。ブループラネット賞は、人類のための行動を起こすうえでの大きな弾みになります。その意味で、今年の受賞者の一人となることは大きな喜びです。

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