リンダ・S・バーンバウム博士とエドワード・バービエイ教授が、日本の技術と自然共生の知恵と歴史を礎に、次世代による国際協調の牽引に期待
今年で35回目を迎える、ブループラネット賞(地球環境国際賞)の2026年の受賞者記者会見を10月27日(火)に帝国ホテルにて開催いたしました。
会見当日は、本年の受賞者である、環境化学物質のリスク評価と科学に基づく政策形成に貢献してきたリンダ・S・バーンバウム博士と、自然資本を指標化し、国際的なグリーン経済の実装を牽引してきたエドワード・バービエイ教授が、受賞への思いや自身の研究について語りました。
リンダ・S・バーンバウム博士は「ダイオキシンやPFASといった残留性化学物質は、胎児期や妊娠期といった『感受性の高い時期』に微量であっても生涯にわたる深刻な影響を及ぼします。汚染が起きてから取り除くことは困難であり、未然に防ぐことこそが極めて重要です。科学者は論文の発表にとどまらず、誠実に科学的根拠を市民や政策決定者に届け、社会の仕組みを変える対話を促す責任があります。本賞を通じて、環境化学物質のリスクと予防の重要性に再び国際的な光を当てていただいたことに深く感謝いたします」と述べました。
エドワード・バービエイ教授は「これまでに本賞を受賞された卓越した方々の一員に加わることができ、大変名誉に思います。私の研究は『自然は私たちの経済的富と福祉の基盤である』という命題のもと、『貧困と環境の関連性』『自然資本と生態系サービスの評価』『持続可能な経済へ転換するための政策・投資指針』の3つの領域を探求してきました。学術的な信頼性を保ちながら政策に直結させ、一般にもわかりやすく伝えることを重視しています」と受賞の喜びを語りました。
環境問題について学ぶ日本の学生や研究者に対し、リンダ・S・バーンバウム博士は「環境化学・環境衛生の道を選択した若い研究者や学生の皆さんの存在こそが、持続可能な未来への希望です。21世紀が直面する複合的な環境危機は、国境を越えた多角的な協調なくして克服できません。科学的イノベーションを牽引してきた日本の強みを活かし、先人の築いたリーダーシップの精神を継承・発展させてください。学術的・社会的な変革の結実には長期的かつ粘り強い意志が求められます。自らの力を信じ、単独での解決に縛られることなく、多様なセクターとの協創を通じて新たなソリューションを提示していってください」と語り、エドワード・バービエイ教授は「経済が自然の中に包摂されているという本質を理解し、持続可能な未来への道筋を示すことこそが、次世代の研究者や学生に託された重責です。日本は、自然と共生してきた歴史的英知と、高度な環境・省エネ技術の双方を兼ね備え、牽引してきた国です。分断が進む国際社会において、環境分野の多国間協調を牽引し、持続可能性と経済発展が調和するモデルを世界へ提示してください。自然資本、生態系サービス、グリーン経済をめぐる私の知見が、皆さんの学術的探求と社会変革に向けた強力な礎となることを期待しています」と応援のメッセージを残しました。
